芸術活動においてアートセラピーの考えを取り入れた取り組みの一例

文章・写真提供:Sounding Joy JAPAN

 

 私たちは、子どもたちの自己表現や気持ちの発散を目的に芸術活動を取り入れています。 
 創作や描画もその1つですが、塗り絵やお絵かきばかりだと飽きてしまうので、子どもたちがより興味を持って意欲的に取り組める形を模索していました。

 そこで、北米の小児病棟に入院する子どもたちにアートセラピーを行なっている方を紹介していただき、一時帰国されている時にお話を伺って、私たちの活動について助言をいただくことになりました。
 毎年4月に、今年1年のお守りを自由にデザインして、自分の心の欲求や方向性に焦点を当てるという活動をしているのですが、その形式を日本文化も取り入れた「お札」のようなデザインにしてはどうか、とご教示いただきました。

 字体もそれらしく工夫して、縦長の大きな「〇〇御守」と印刷したところ、本物っぽい雰囲気になり、子どもも今まで以上に真剣な表情で「御守」を完成させ、多くの子どもたちは部屋の壁に飾りたいと言っていました。

 表現のデザインを工夫したことで、取組の目的により合致する提示方法になり、子どもたちが目的意識を持って真剣に取り組んでくれました。
 私たちでは考えつかなかったアートセラピーの視点と、日本の独特の文化を取り入れることで、今までの活動よりもよりクリエイティブで意義深い取組に繋がったと感じます。
 子どもたちも作品が完成したときは、いつも以上に満足そうな表情を見せてくれました。

取組み団体概要

団体名称 Sounding Joy JAPAN
設立年月 2000年10月
団体HP URL facebook.com/soundingjoyjapan
団体連絡先 TEL:080-3886-8824
設立の経緯 事務局のある新潟県では、音楽療法についてあまり周知されておらず、音楽療法について啓発活動を行い、音楽療法の臨床現場を増やしたいという経緯で設立に至った。
目的 音楽療法を人々のより手の届きやすいものにし、音楽や芸術活動を、人々の心身の機能の維持改善に役立てるため。障がい者への個人・集団音楽療法セッション、講演、スーパービジョン、大学等での教育活動を行っている。
構成 理事長、副理事長、監査、事務局長兼代表、音楽療法士、ボランティアコーディネーター (年代:40代〜70代、 男女比1:9)